試食販売マネキンのお仕事とは?

皆さんは、百貨店やスーパーで試食販売をされてる「マネキンさん」をご存知ですか?
知る人ぞ知る、全国のデパート物産展を盛り上げる、縁の下の力持ちなんです。
普段は、スーパーの売り場の隅っこで試食や試飲を出したりされてるお姉さん。
お客様と雑談をしながら商品説明をしてる年配の女性。
実は、この人たちこそ 販売のスペシャリスト なんです。
試食販売スペシャリストへの道
では、スペシャリストというからには、さぞ高度な研修や教育を受けてるんだろうな、と思
いますよね?
実は、違うんです。
試食販売のマネキンはすぐ独り立ちしないといけない?

驚くことにマネキンさん達は、スペシャリストなのに 一切研修を受けてない んです。
どういうことか、説明しますね。
まず、登録の際に、履歴書と、簡単に筆記試験(あるいはパソコンでの入力をします。
希望の職種→アパレル、食品、短期、長期などを記入します。
そしていきなり独り立ちするんです 。
試食販売のマネキンのリアルレポート
エプロン、三角巾をつけてるマネキンさんは、短期の食品のお仕事になります。
初めの頃は少しずつ仕事を覚えるように、デパ地下のお仕事が多いです。
なぜなら、周りに人がいて分からないことが聞ける環境だからです。
デパ地下の催し場は、まずメーカーさんという、出店している会社の人が1人以上います。

そして百貨店の社員さん、レジさんなどがいます。

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マネキンの場合は、このメーカーさんからお給料を貰います。
催し場には慣れたマネキンさん達もいるので、店の中のことは何でも教えてくれます。
でも、販売は別です。 自力で経験を積んでノウハウを学ばなければなりません。
試食販売のマネキンは販売力を高めないといけない!
先ほどメーカーさんと言いましたが、メーカーさんにも色んな人がいます。
親切丁寧に商品のことを教えてくださる人。
逆に何一つ指導もなく、「自分の売り方を見て盗め!」的な厳しい人もいます。
どちらが販売力が身につくと思いますか?
「優しいからいい」のではないんですよね。
優しくされると、「いつでも教えて貰える」と甘えてしまうんです。

「何一つ教えてくれない人」
これは、気弱な人ならつらいでしょう。
でも、根性のある人なら 反骨精神で伸びるんです。
ほとんどの仕事が1週間単位なので多数のメーカーさん、
百貨店、スーパー、と場をこなして販売のスキルを身につけていきます。
また、スーパーの試食販売の場合は、週末のみのお仕事が多いですね。
これは売り上げより商品の紹介が目的なので好きに働きたい、話好きな人はオススメです。
スキルはわかってきたけど、これだけで売れるの?
そうなんです。
商品の説明、試食があれば配る、呼び込み、笑顔、お声かけ。
これだけでも人気商品ならとりあえず売れるでしょう。
でもスペシャリストになるには、「お客様の目を見る事」が重要なんです。

「目は口ほどにものを言う」 ということわざがあります。
お買い上げ頂けるかた、お話を聞いてくださるかたは、視線を合わせてくださいます。
余談ですが、デパートには必ずお見かけする、試食だけの目的のかた。
先ほどのことわざがピッタリ当てはまります。

販売経験が長くなってくると、 このような見分け方が更に増えます。
お客様は興味があるお店の前に立ち止まります。
するとマネキンさんはまず、一番おすすめの品や、お買い得品などでお声かけします。
買う意思がなければ興味があっても声をかけられると帰ってしまいます。
なので、お声かけの声のトーン、タイミング。これらがとても大事です。
お客様の目を見てると、売る側がお得な品を勧めても本当に欲しいものに何度も視線が戻り
ます。
それを見抜けなければ、お客様は帰ってしまわれます。
常にアンテナを立てていなければ見抜けない ことも多々あるのです。
体調管理は自己責任

マネキンさんは体力勝負です。
北海道展、九州展、全国うまいもの展など、物産展になると、なかなか休憩もとりづらく、
賑やかな会場でも聞き取れる声を出さなければなりません。
声を枯らして、水分を摂る余裕もなく、喉が乾燥して、徐々に徐々に声が出なくなる。
ハスキーな人が多いのはそのせいかもしれないですね。
喉から風邪に移行してはたまりません。
基本的にマネキンさんはメーカー側との1対1の雇用なので、 やむを得ない状況以外は替わ
りはいません。
立ち仕事なので、足腰を痛める人もいます。
また、マネキンさんには定年がありません。
知ってる限りでは、80代の現役のかたをお見かけしたことがあります。
70代のかたは現役バリバリな業界です。
休憩のときに足を引きずっていたり、階段の上り下りが困難な人がいます。

でも、売り場に立つとピン!と背筋を伸ばして会話をされてます。
計算もとても早いです。

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さすがプロです!
一生出来る仕事ですね。
自分のファンが増える
ちょっとおいしい話ですが、慣れてくると、メーカーさんからご指名を受けることがありま
す。
いつもの日給に指名料も頂けます。
マネキンさんの利点は、長期の方は別ですが、1週間の短期のお仕事なので人との関わりが
苦手な人には向いてます。
指名を頂くのは、過去に引き受けたお仕事なので、商品説明も、細かい作業も理解出来てて
精神的にはとても楽です。
しかし、その分期待に応えなければなりません。
自分を高く評価して頂いてる のですから。

また、お客様にも
「あなたから買いたい」
「あなたの接客じゃないと駄目」
と言ってくださるファンが出来ます。
頑張って報われた!
また一歩、成長出来ました。
しかし、指名のお仕事ではあり得ないのですが、逆にメーカーさんの要望に沿わなくて、契
約の途中でキャンセルされたり、交代を迫られたりすることもあります。
そういう経験をしながら、スペシャリストへ成長していきます。
慣れてくると発生する試食販売トラブル

順調に経験を積んでる中、
食品業界に付き物の問題も起こります。
お客様からのクレームです。
①商品に関するクレーム
②百貨店の対応へのクレーム

③販売員へのクレーム
①と②は、百貨店とメーカーさんで
対処して解決します。
しかし、③の販売員へのクレームについては、
マネキンさんにとっては 死活問題 です。
・言葉遣いが悪い
・馴れ馴れしい態度の接客
・押し売りをされた
・自分だけ試食を貰えなかった
・金額が違う
・お釣りを貰ってない
・包装の仕方が雑
・冷蔵品なのに保冷剤が入ってない
・賞味期限スタンプの押し間違い
・クレジットカード、ポイントカードを返してもらってない
・商品の渡し忘れ
などなど…限りなく出てきます。

こういう言い方をすると賛否両論あると思いますが、お客様にも問題がある場合があるんで
す。
時間をかけてゆっくり選ばれたのに、いざお買い上げの場になりお勘定やお包みをしている
と、
「早くして!バスの時間がないの!」
というような、言い方をされるお客様。
また、お包みしてる間にカードをお預かりして精算を行っているのに、商品だけ受け取って
いなくなるお客様。
マネキンさんは顔面蒼白でカードを持ってお客様を探します。
暫くしてカードを返してもらってない!と憤慨されたお客様が見えました。
この例は、かろうじてお客様が戻ってこられたので大事には至りませんでした。
お客様ご自身が金銭授受の際に問題がある場合。

しっかり商品をお包みしたのにもかかわらず、乱暴にお受け取りになる。
お寿司やお弁当、お惣菜などを逆さにバッグに入れられる。
これをされると、せっかくの商品の価値もなくなります。
また、世に言う「クレーマー」と呼ばれる人達との戦いもあります。

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一番多いのが「髪の毛が混入してた」というクレームです。
買われた時間は?レシートはお持ちですか?
その商品は手元にありますか?
そうお聞きすると、決まって
「食べたからもう無い、レシートは貰ってない」
いやいや、ちょっと待って。
その髪の毛の長さは?作ってるメーカーさんはネットも帽子も使用して調理してますし。
それに、 何より坊主ですよ?
そういう理不尽なクレームは相当な数です。
百貨店の担当者は、穏便に済ませたいので返金や、新しい商品や、菓子折などをもってお届
けに向かうのです。
このように納得いかないこともあるのですが、クレームは真摯に受け止めるしかないので
す。

数々の経験の積み重ねが、全ての成長の糧として成長していきます。
試食販売のスペシャリストになれたか?
ここまで色々書いてきましたが、スペシャリストになれたでしょうか?
経験を積み、多くの実績を重ねて大きく成長したマネキンさん。
お客様の表情、そして会話の中で、 何を求められているのか が見えてきました。
お客様の目を見ると購買意欲がある人ない人がわかってきました。
自分の売り方の形が出来てきて、専属で使いたいというメーカーさんの数が増えてきまし
た。

百貨店でお仕事をしてるとお客様から
「また来てたのね、今週は何を売ってるの?」
「あなたが来てるんだったら何か買うわ」
と言ってくださるファンが増えました。
クレームを受けるような初歩的なミスはしなくなり、クレーマーと言われる理不尽な人達に
も負けない強さを身につけました。

まとめ
 
いかがでしたか?
百貨店やスーパーの試食のお姉さん、おばさんとしてマネキンさんを見ていたあなた。
見方が変わりましたよね?
全国にはたくさんのマネキンさんを登録している会社があります。
そして、 たくさんのスペシャリスト がいます。
デパ地下や物産展で、ひときわお客様が集まってるお店を見つけたら、そこにはきっとマネ
キン販売のスペシャリストがお仕事されてるのかもしれないですね。
長文、お読み頂きまして、ありがとうございました。


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