どうも! ロフ です
「認知症」
あなたも一度は必ず聞いたことがあるでしょう。
団塊の世代が75歳になる2025年には、認知症高齢者が約700万人、65歳以上高齢者の5人に1人は認知症になると推計されています。
認知症は決して他人事ではなく、自分事なのです。
認知症は根本的な治療法は見つかっておらず、進行性の病気だということをご存知ですか?
認知症に使われる薬の目的は、認知症のない元に状態に戻すためではなく、症状の進行を遅らせたり、不安や妄想、不眠などの症状を抑えることが中心となります。
つまり、一度なってしまうと、完全には治らない病気なのです。
そう聞くとなんだか怖い病気に思えてきますね。
しかし、認知症についての研究が重ねられ、少しずつその予防法も見えてきました。
もう他人事ではない認知症、正しい知識をもって予防しましょう!
目次
1.日本国民の認知症に関する意識は?
内閣府が行っている「認知症に関する世論調査」をみてみましょう。
(https://survey.gov-online.go.jp/tokubetu/r01/r01-ninchisho.pdf)
「あなたは今までに認知症の人と接したことがありますか?」という問いに対して、「ある」と回答したのは、平成27年で56.4%、令和元年で61.6%でした。
半数以上が認知症の人と接したことがあり、年々増加傾向であることがわかります。
その中で「家族の中に認知症の人がいる(いた)」人は平成27年で43.5%、令和元年で47.7%であり、こちらも増加傾向です。
また、「もしあなたが認知症になったとしたら、どのように暮らしたいと思いますか」という問いに対しては、
「認知症になっても、医療・介護などのサポートを利用しながら、今まで暮らしてきた地域で生活していきたい」が最も多く、次いで「認知症になると周りの人に迷惑をかけてしまうので、介護施設で必要なサポートを利用しながら暮らしたい」となっています。
さらに、「もし、あなたご自身が認知症になったとしたら、どのようなことに不安を感じると思いますか」という問いに対して、「家族に身体的・精神的負担をかけるのではないか」が平成27年で74.9%、令和元年で73.5%と最も多くなっています。
多くの人が、認知症になっても住み慣れた地域で暮らしたいと思いつつも、認知症により介護が必要となることで家族に負担がかかることを不安に感じていることがわかります。
実際、認知症の介護現場でも、家族に対するサポートが認知症支援には欠かせない重要な要素となっています。
私も何人もの認知症の方を支援してきましたが、認知症の方ご本人への支援だけではほとんどと言っていいほど十分ではなく、必ずその支援の中にはご家族が含まれます。
それほど、認知症の家族は身体的・身体的にも負担が大きいのです。
また、ご本人からは、家族に迷惑をかけることへの申し訳なさがよく聞かれます。
認知症が進行すると、自分でできないことが増えていき、どうしてもお手伝いが必要になることが多くなってしまうからです。
いくら介護者が、周りの人が、そんな事はないと言っても、本人にとってはそう感じてしまうものです。
これは、認知症に限らず、何らかの理由で介護を必要としている人はそのように感じることも多いかもしれません。
2.認知症とは?
まずは、認知症とはどういう病気であるか、ということをおさえましょう。
認知症の代表的な症状に、記憶力の低下がありますね。
しかし、誰しも歳をとれば忘れっぽくなってしまうものです。
私も年々物忘れが増えているような・・・。
この、加齢による物忘れを「健忘」と呼びますが、脳の自然な生理的老化による能力低下であり、生活に大きな支障をきたすことはありません。
これに対して認知症は、身体の病気による知的な働きの低下であり、日常生活に支障をきたす程のひどい物忘れや判断力の低下が起こるのです。
あなたは今日のお昼ご飯に何を食べたか思い出せない、ということがあるかもしれません。しかし、それはよくあること。
認知症では、お昼ご飯を食べたかどうか自体を忘れてしまうことがあるのです。
体験したこと自体をすっかり忘れてしまったり、季節や日時、人の顔もわからなくなったりして、自立した生活を送ることが難しくなります。
認知症は一般的に、
・「アルツハイマー型認知症」
・「レビー小体型認知症」
・「前頭側頭型認知症」
・「血管性認知症」
の4つのタイプに分けられます。
それぞれ原因や症状が異なり、治療も違います。
3.「軽度認知障害(MCI)」とは?
最近では、認知症の一歩手前の状態である「軽度認知障害(MCI)」も注目されています。
MCIの治療は、早期であればあるほど効果が高いとされています。
適切な治療を行うことで認知症の発症を遅らせる可能性があるからです。
認知症予防にはMCIの早期発見が重要であり、早期発見のためにはMCIについての知識をもつことが大切になってきます。
MCIは、認知症と違い日常生活に大きな支障をきたすことがなく、日常の基本動作は行えるため、本人も周りの人も気づきにくいのが特徴です。
食事や入浴といった基本的な日常生活動作は可能でも、家事や金銭管理といった応用的な日常生活動作に影響が出てくることが多いようです。
注意深く観察をすれば何らかのサインが見えてくることがあります。
以下に、MCIのサインの例を挙げます。
① 年相応とは言えない記憶力の低下がみられる
それにより仕事にミスがでたり、同じ質問をしたり、冷蔵庫にあるのにまた同じものを買ってきたりしてしまいます。
② 遂行機能の低下がみられる
同時に作業を進めたり、順序立てて物事を行うことが難しくなります。
例えば、慣れている料理に時間がかかるようになったり、鍋を焦がしたりしてしまうことがあります。
③ 意欲の低下がみられる
おしゃれだった人が服装に気をつかわなくなったり、周りの物事に関心をもてなくなったりします。
このようなサインを見逃さず、MCIを早期発見しましょう!
4.認知症の「危険因子」と「保護因子」
次に、認知症に「危険因子(なりやすい因子)」と「保護因子(なりにくい因子)」は何か?についてお話しします。
危険因子を避け、保護因子を積極的に生活に取り入れ継続することが予防にとって大切になるからです。
認知症発症に関しては従来、遺伝や加齢、性別、高血圧、脳血管障害などの生物的因子や喫煙と多量飲酒などの嗜好が「危険因子」として論じられてきました。
また、最近では認知症発症の「保護因子」として、食事では魚や緑黄野菜の摂取、適量の飲酒が報告されています。
さらに、人間関係としての社会的ネットワークと社会的サポート、趣味と余暇活動や運動などが保護因子として報告されるようになってきました。
そして、認知症の原因については、多くの研究や論文で、生活習慣との強い関係が示されています。
スポンサーリンク
5.認知症を予防するためには
さて、認知症を予防するために重要なことをお伝えします。
まず、生活習慣を見直しましょう。
・栄養バランスのいい食事を摂ること
・適度に運動をすること
・喫煙や飲酒はほどほどにすること
が重要です。
これらを疎かにすると、脳血管疾患や糖尿病、呼吸器疾患や循環器疾患にかかりやすくなり、それが原因となって認知症になる可能性が高まります。
栄養については、どうしても不足しがちな、魚や緑黄野菜の摂取を意識的に摂取したいものです。
運動については、寝たきりになると認知症になりやすく、より歩くと認知症になりにくいことがわかってきています。
キツすぎない程度の歩行を日常生活で取り入れましょう。
最近は、認知症予防体操というものもでてきています。
本も出版されているようなのでご興味のある方はみてみるといいかもしれません。
そして、よく頭を使いましょう。
認知症は脳の病気です。
頭を使わないと認知機能も低下してきてしまうのです。
普段から頭を使うことで認知機能の予備力が蓄積され、認知機能が低下してきても認知症を発症する時期を遅らせることができると考えられています。
頭を使うというと、計算ドリルや難しい問題を解くことを想像するかもしれませんが、それが苦痛であっては意味がありません。
ボーッとしている時間やテレビをただ眺めている時間を、何か主体的に行える時間に変えてみましょう。
興味があることを行うだけでも、頭は使われています。
また、新しいことにチャレンジすることも効果的です。
さらに、趣味をもち、他者と交流をしましょう。
趣味や人とのコミュニケーションを通して脳が刺激されます。
また、好きなことをしたり家族や友人を交流をすることは、心理的にもよい状態となりやすいでしょう。
ロフ てき まとめ
認知症についてなんとなくわかったと思います。
正しい知識をもち、認知症を予防しましょう!