遅咲きの苺

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どうも! ロフ です

春は、芽吹きの季節。

土の表層から、新たな芽がひょっこり顔を出す。

段々と暖かくなる過程で、次々に葉を広げて天に向かって伸びていく。

時期を同じくして、開花する花々。

特定の地に根を張り、育ってきた植物たちが、競って花を咲かせる。

香のある花、ない花。

山で咲く花。道端で咲く花。

ベランダで咲く花。農家のビニールハウスで咲く花。

「どの花見ても、きれいだな」とは、チューリップだけに非ず。

つい、「春」という季節に酔ってしまいそうだ。

ところで、花の種によっては、風や虫に花粉を運んでもらって受粉する。

苺もまた然り。

だが、うちの苺はベランダ育ち。

そうそう虫たちに運んでもらうことはできない。

そのような環境下では、人工的に受粉をさせる。と言っても、綿棒などの先で、花の中央にある花粉を少し擦ってあげるくらいで、そんなに大袈裟なことをする必要はないのだが。

うちの苺は、遅咲きだった。

ホームセンターで私という人間に選ばれた苺の苗たちは、我が家に住居を移すこととなった。

最初は、順調に育っているように思えたが、一時期なぜか成長が止まり、むしろしおれかけていくようだった。

水やりの度に、そのような苗を見ながら、その理由を探すけれども一向に見つからない。

そして、5月。

4月はとうに過ぎて、5月下旬の現在。

彼らは、見まごうほどに急成長し始めた。

茶色に変色していた葉先の苗が、青々とした新しい葉を広げ、次々と伸ばしていく。

あんなに弱々しかったのに、今ではたくましい。

そうして、小さかった苗は大きくなり、花を咲かせた。

苺にしては、少々出遅れた開花のようだ。

「遅咲き」とか「大器晩成」という言葉は、私にとってはポジティブな言葉である。

自然はたくましい。

しかし、細々とした幾つかの条件が完全に揃わなければ生存を継続できない種もある。

とても上品で、繊細で、言わば「温室育ち」のような種である。

度々手入れが必要で、とても手がかかる。

例えば、バラ。例えば、蘭。

それらは、育てるのが難しいと言われる植物に分類されるだろう。

私はそのような種を順調に育てることができない人種だが、随時手をかけて立派に育て上げられる人が羨ましい。

逆に、基本的な水やりや追肥など、ある程度の世話で成長してくれる植物はとても助かる。

色々な植物を自らの手で育ててみると、その様相は人間と似ている。

耐寒性や耐暑性の有無、1年草か多年草か。

水やりの頻度や水量。肥料は必要か。日向と日影、どちらを好むか。

屋内と屋外、どちらが向いているか。

1日2日で結果は出ない。どのように育つのかは、育ててみて、初めてわかる。

予想外の事が起こったり、理想通りにはいかず悪戦苦闘したり。

勿論、失敗あっての成功がある。

試行錯誤の末に、それぞれの植物に相応しく手をかけられたのかがわかるのだ。

さて、うちの苺はどう育つだろうか。