『不便益』という言葉

先日、TVの某バラエティ番組で、初めて『不便益』という言葉を耳にした。

これは、京都大学のある教授が作った造語だという。

『不便益』とは、どういうことか。

例えば、カーナビは普通、現在地から目的地までのルートを案内するが、目的地まで行くそのルートをあえて見えないようにすることで、普通のカーナビを使用したときよりも目的地へのルートをきちんと記憶することができるというデータがあるらしい。

「不便」なのに「益を得ることができる」ので、『不便益』と名付けたそうだ。

このようなことは、日ごろ生活している中でも、ちょくちょく感じることがある。

今では、科学技術の発達により、人間の代わりにロボットができることが増えた。

例えば、掃除。

ロボットが掃除をしてくれるならば、人間は掃除をする手間が省ける。それによって、時間にも体力的にも余裕が生まれる。これは、利益(メリット)だ。

しかし、人間が自分で掃除をすれば、掃除をした人の運動不足は解消される。

ジムに通ったり、ランニングをしたり、何か特別なことをして運動不足を解消しなくてもいいし、その為の時間を別に確保する必要もなくなる。

尚且つ、家の中は綺麗になり、気分もスッキリする。ついでに運気もUP!

これも、利益(メリット)だ。

不便だからこそ得られる『益』。これが不便益だ。奥が深い。

昔に比べて、近代社会は本当に便利になった。

確かに、「あったらいいな」が「あったらいい」けれど、物事の良し悪しは紙一重だ。

何においても、メリットとデメリットは存在する。

普段の生活でのあるある『不便益』をもう1つ。

最近は、以前に比べて、筆記用具で文字を書くという習慣が少なくなった。

文字は、パソコンや携帯電話で打てばいい。

メールなんてなかった時代には、手紙を書かなければならなかった。

本を読むことで、頭の中に文字や漢字がインプットされる。

同じ漢字が何度も出てくると、自然と覚えていくようになる。

もし、読めない漢字にルビがふられていなければ、辞書を開いていちいち調べていたものだ。

また、文章を読むことによって、読解力が身につく。その文字や漢字が用いられるのはどのようなスチュエーションか、どういうニュアンスが含まれているのかを理解するようになる。

そうして、その文字や漢字が必要なときに浮かんでくるようになるし、書けるようになるのだ。

簡単な文字や漢字すら読み書きできないというのは、きっと本を読む習慣がないからだ。

パソコンや携帯電話では、キーを押すだけで漢字に変換できる。

一見、これはとても便利な機能だが、漢字の読み書きのレベル低下を生むというマイナス要素も孕んでいる。

このように、生活の中で『不便益』を探してみると、色々と気付くことがある。

そういう小さな発見は、「発想の種」を与えてくれるから面白い。

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